鏡の前で整髪する男性(白黒)

水性ポマードの使い方・選び方ガイド|4ブランドの選び分け - Vol.2

KIOSQ Journal/Vol.2|使い方・選び方
水性ポマード(別名グリース/ヘアグリース)は、水で洗い流せて扱いやすく、その日の仕上がりに合わせて使い分けられる整髪料です。この記事では、基本の使い方(5ステップ)、濡れ髪・乾き髪の塗り分け、髪質・長さ・仕上がり別の選び方、そして4ブランドの製品の選び分けまで、実践的にまとめます。

※ポマードの定義・種類・歴史は 「ポマードとは?」 で解説しています(この記事は"使い方と製品選び"に特化)。

まず動画で全体の流れをつかんでから、下の手順を読むと分かりやすいです。

基本の使い方 — 5ステップ

1
髪を整える:タオルドライした半乾き〜乾いた髪に使います。水性は髪の水分量で仕上がりが変わります(濡れ=ツヤ/乾き=マット寄り)。
2
少量を取る:10円玉大くらいから。手のひらでよく伸ばします。
3
根元からなじませる:襟足・後頭部→サイド→前へ。根元から全体へ均一に。
4
形をつくる:コームで面をタイトに整える/指先で束感・動きを出す。
5
手直し:乾く前に形を決めます。乾いたあとに直したいときは、水を少量足すと再びなじませられます。

上手に使う3つのコツ

① 少量ずつ足す:一度にたくさんつけると重くベタつきがち。足りなければ少しずつ足すのが失敗しないコツです。

② 根元から、後ろから:前髪から塗るとつけ過ぎになりやすいので、襟足・後頭部の根元からなじませ、最後に前へ。全体が均一になります。

③ ドライヤーで"土台"をつくる:ポマードをつける前に、ドライヤーで毛流れの向きをつけておくと、少ない量でも決まりやすくなります。

濡れ髪 or 乾き髪 — 塗り分け

濡れ髪で使うと、ツヤが強く出て面をタイトにまとめやすくなります。オールバックや七三のクラシックなスタイル向き。

乾いた髪で使うと、ツヤ控えめでボリュームや動きを出しやすくなります。無造作なスタイル向き。

鏡の前で整髪する男性
鏡の前で整髪する男性(Library of Congress・PD)
バリカンで仕上げる理髪店
理髪店での仕上げ(Library of Congress・PD)

スタイル別のつくり方

七三分け・オールバック(ツヤ・きっちり)

濡れた髪に、ツヤの出るジェルグリース系を根元からなじませ、コームで分け目や毛流れをつくります。面をタイトにそろえると端正な印象に。乾く前に形を決めるのがコツです。

無造作ショート(マット・動き)

乾いた髪に、マットなクレイ系を少量。手のひらでよく伸ばし、指先で毛束をつまんで散らすように動きを出します。つけすぎず、毛先を中心に。

パーマ・くせ毛を活かす

タオルドライした半乾きの髪に、ナチュラルなクリーム系をもみ込むと、カールや毛流れを自然にまとめられます。握るように形をつくれば、あとは自然乾燥でも決まりやすくなります。

【上級】ドライヤーで立ち上げてから留める

タオルドライ後、ドライヤーを根元に近づけ、指やロールブラシで毛を上方向に引き出しながら乾かします。前髪やトップを立ち上げ、ボリュームが出た状態でクールショット(冷風)を当てて形を固定。そのあと少量のポマードを「抑え込むように」なじませれば完成です。ドライヤーで作った形をポマードが留めるので、フロントの輪郭がシャープに決まり、少量でも軽く仕上がります(バーバーが実際に使う手法)。

ベイク効果:水性ポマードは熱を当てると水分が飛び、残った成分が髪に密着します。これで単品よりホールドが高まり、冷ましてから整えると崩れにくくなります(ジェルグリース系で特に顕著)。仕上げにクールショットで熱を飛ばすと、形がより長持ちします。

重ねる・混ぜる — 応用の3テク

① ヘアオイルを少量混ぜる:ポマードを手のひらで伸ばす際に少量のヘアオイルを足すと、乳化を助けてのびがよくなり、ツヤと毛先のまとまりが上がります。オイルの量で、マット〜ツヤまで調整できます。

② スプレーを土台にする:タオルドライ後にシーソルト/テクスチャースプレーを全体に吹き、根元から揉み込んで乾かすと、繊維状のグリップで下地ができます。あとはポマードを少量重ねるだけで長時間キープ。ブロードライの時短代わりにも使えます。

③ 同ブランドで補完する(O'Douds公式の例):「スタンダードポマード+ドライワックス」は、ドライワックスを先に塗り、上にスタンダードを重ねると、単品より強いセット力になります(O'Douds公式の推奨順)。「コンディショニングクリーム+スタイリングトリートメント」は、手のひらで混ぜてから塗ると扱いやすいセット感に。配合の割合で、自然な仕上がりからしっかりまで調整できます。

よくある失敗(NG)と直し方

同じ整髪料でも、塗り方と乾かし方で仕上がりは大きく変わります。ありがちな失敗と、その直し方をまとめました。骨格や髪質のクセは、直そうとするより活かす・ならすほうがラクに決まります。

① 整髪料が一部にしか付いていない

前髪やトップだけに塗ると、えり足・耳まわり・内側が無整髪のまま残り、時間が経つと崩れやすくなります。手のひら全体でよく伸ばして乳化させ、後頭部 → サイド → トップの順に、髪の内側までなじませてから、コームで全体へ行き渡らせます。

② トップ・後頭部がぺたんこになる

根元を寝かせて乾かしたり、根元に重い整髪料を付けると、頭の上と後ろがつぶれて丸みが出ません。根元を起こしながら乾かし、整髪料は中間〜毛先を中心に付けます。後頭部は下から手を入れて立ち上げると、立体感が出ます。

③ はちの張りが目立つ

頭の側面上部(はち)に高さやボリュームを出すと、頭が四角く大きく見えます。はちは手やドライヤーで抑えながら乾かし、代わりにトップに高さ・後頭部に丸みを作るとバランスが整い、卵型のシルエットに近づきます。サイドは整髪料を根元から寝かせるようになじませ、面をつくると張りが目立ちにくくなります(艶の有無より、面を寝かせられるかがポイントです)。

④ 直毛:束が割れて落ちる

直毛は表面がなめらかで整髪料が滑りやすく、束が割れたり毛流れが落ちやすい髪質です。まず乾かす段階で根元に折り(土台)を付けるのが一番効きます。そのうえで、動きを出したいなら質感の出る剤、タイトに決めたいならホールドの高い剤と、作りたいスタイルに合わせて選びます。整髪料はつけ過ぎると重さで落ちるので、少量から重ねます。

⑤ くせ毛:活かすか、ならすかで変わる

くせ毛の広がり・うねりは、活かすか、ならす(矯正する)かで対応が変わります。活かすなら、半乾きでツヤ・保湿のある剤をもみ込み、握るようにカールの形をつくります。ならすなら、伸ばしたい方向へ引きながらしっかり乾かして面をつくり、まとまりのある剤で押さえます。どちらも湿気で戻りやすいので、乾かし切ること・つけ過ぎないことが共通のコツです。

自分に合った選び方

選ぶ順番:① まずホールド(キープ力)で大きく絞る → ② ツヤ(見た目の光沢)で好みを選ぶ → ③ 向く髪質で最終確認。
「向く髪質」の考え方:膨らんでまとまりにくい硬い・多い髪はしっかり留まる強ホールドが向き、ぺたんとしがちな細い・柔らかい髪はマットで軽めが動き・ボリュームを出しやすく、広がるくせ毛はほどよいツヤ・クリームがまとめやすい——という目安です。

エクストラストロング|一日タイトにキープ

ストロング|しっかり、でも手直しできる

ミディアム|軽め・自然な動き

全製品のツヤ×セット力マップ香りで選ぶなら、比較図鑑で見比べられます。

ブランドで選ぶなら

ここまでは髪質・スタイルから選びました。もう一つの入口がブランドの価値観です。植物由来のクリーン、自社一貫のクラフト、手の届く定番、クラシックのツヤ——4ブランドの個性は 「ポマードとは?」の“価値観で選ぶ4ブランド” で紹介しています。

ワックス・ジェル・グリースとの違いは?

それぞれの違いは、専用記事で詳しく解説しています。

よくある質問

ポマードはどのくらいの量を使う?
目安は10円玉大から。ショートや軟毛は少なめ、ロング・多毛・剛毛は少し多めに調整します。一度に足さず、乾かしながら少しずつ重ねるのがコツ。つけすぎると、ベタつき・白い粉浮き・根元のつぶれの原因になります。
夕方になると崩れる・ボリュームが落ちるのはなぜ?
多くは根元への付けすぎ乾かし不足が原因です。根元を起こしながら乾かし、整髪料は中間〜毛先を中心に。水性タイプなら、日中でも手に水を少量つけて再びなじませれば立て直せます。
つけたのに決まらない・固まらないのは?
濡れ髪で量が足りない/乾かす前に触りすぎ、が典型です。水性は乾く過程でセットが決まるので、形をつくってから乾かします。マット系のクレイ・ワックスは乾いた髪に使うと質感が出ます。
一日のうちに何度でも直せる?
水性ポマードは、乾いたあとでも手に水を少量つけてなじませれば整え直せます。出先では霧吹き・ウォーターも便利。油性ポマードは固まらないので、もともと何度でも手ぐしで直せます。
落とし方は? 白く残るのを防ぐには?
まずぬるま湯で予洗いしてからシャンプー。生え際・襟足・耳まわりのすすぎ残しが白残りの原因になりやすいので、そこを重点的に。落ちにくいと感じたら二度洗いで十分です。
初めての一本は何がいい?
なりたい仕上がりで選ぶと失敗しません。
ツヤできっちり(七三・オールバック)→ O'Douds スタンダードポマード
自然に、まず試す → O'Douds スタイリングトリートメント/Bonafide ファイバーポマード
マットで無造作な動き → FIRSTHAND テクスチャライジングペースト
迷ったら、扱いやすいミディアムのスタイリングトリートメントから。剛毛・多毛はセット力の強いタイプ、軟毛・猫っ毛は軽めが安心です。

あなたに合う一本を見つける

O'Douds・FIRSTHAND・JS Sloane・Bonafide の
日本公式オンラインストア

次に読む
Vol.3ポマードとグリースの違い
関連記事・比較図鑑

KIOSQはGQ・各誌に掲載されています メディア掲載を見る →

参考:各ブランド公式、Shopify製品情報(成分)。本記事は整髪料の一般的な使い方・特徴をまとめたもので、仕上がりには個人差・製品差があります。

ジャーナル一覧へ